2008年03月30日

フリッツ・ヴンダーリヒの奇跡の歌

久々に彼の歌うシューベルト「美しき水車小屋の娘」を聴いた。
その余りの見事な歌唱にうっとりとしてまた、余りの美しさ・切なさに涙が出る。
こんなにも素晴らしかったとは・・・。
これまではシューマンの「詩人の恋」が大のお気に入りだったが、それに匹敵する程の感動だ。
どちらかといえば「水車小屋」は「詩人の恋」とくらべると歌自体が古臭い感じを抱いていたのだが、今日聞いてみて全くの誤りだと感じた。シューベルトの作品自体もさることながら、これはヴンダーリヒの歌唱の見事さ、青春の素直で瑞々しい感情の発露の賜物だろう。45年前(1965年)の昔の歌声ではない。
彼の声は何とも言われぬ色気があり、下手をすれば甘ったるさに落ちる手前で品位を失わない。ラファエロのマドンナのように大衆性と宗教性の幸せな融合を感じる。35歳という若さで亡くなったのは惜しまれるが、それがかえって一層彼の歌を奇跡的な作品にしているように思う。

シューベルト:歌曲集「美しき水車小屋の娘」
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おすすめ平均star
starこれを超える「詩人の恋」はもう出ないだろう
starいい声、いい音楽

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私がAmazonのカスタマーレビューに載せた「詩人の恋」も合わせて紹介しておく。

ヴンダーリヒの歌う「詩人の恋」を聴いてもう十数年も経つがこれを超える演奏は聴いたことがない。他のテノール歌手のCDも何枚も持っているが、ヴンダーリヒの歌唱は次元の違いを感じる。官能的な歌い出しと曲間の絶妙の間合いに毎回うっとりして聞き惚れてしまう。他の歌手のは連作歌曲という構成を本当に理解していないように感じる。ヴンダーリヒのは本当に全16曲が一作品(1曲)として歌われているのを感じる。
これを超える演奏はもう出ないのではないかと思う。
確かに声は甘い方だろう。でもそれが嫌味にならないロマン派の歌曲を彼ほど自然に情感込めて歌う歌手はいないし、もう出ることもないだろう。


posted by なっちゃん at 00:20| 静岡 ☀| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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